バイク屋整備日記

2002年12月
例年に無く寒い雪が何回も降る12月でした。
12月1日 KSR-Uのエンジン不調
12月2日 トルクカムが壊れた。
12月6日 SRのニュートラルスイッチ
12月20日 セローのナックルガード取り付け
12月21日 DT200WRスポーク張替え
12月22日 ホイールとタイヤの間から空気がもれる。
12月28日 カブのヘッドライトが暗い。

12月1日 KSR-Uのエンジン不調
 アイドリング不調、最高速が伸びない(60キロぐらいしか出ない)、トルクが無くちょっとした上り坂でも減速していってしまう。などの症状が出ていたKSRU。
 まだ、2000キロぐらいしか走っていないので、壊れるようなことは無いはずだ。改造部分はCDI、サイレンサー程度。両方ともノーマルに戻してもたいした変化は無い。はっきり行ってお手上げだ。だからと言って本当にお手上げしてしまうわけにもいかないので、圧縮を計ってみる。小排気量の2サイクルのバイクは測定誤差が大きいのであまり信用はできないがとりあえず計った。結果はマニュアルの許容範囲内に入っている。エンジンがかかって走っているのだから当然だ。
 次に、リークテストをしてみる。燃焼室に圧縮空気を入れてのテストだ。リーク率は30%程度でやや多いものの許容範囲内だ。しかし、2種類のテストで圧縮圧力がやや低いことが判明。けど、エンジンが壊れることは無いはずだし、マフラーを外しての点検でもピストンやシリンダーにも傷は無かった。
 では、ほかの車両はどうかと思いNSR80と比較。圧縮はNSRのほうが高いが、車両のばらつき程度の差と見てよさそうだ、リークテストではNSRのリーク率は5%程度。かなり違っている。
 ということで、エンジンをバラしてみることにした。
シリンダーヘッドを外してみると、ピストンが見える。その頭には、なにやらひび割れのようなものが見える(上の写真)。ピストンを外してみると、その傷はピストンピン付近からつながっていた(2枚目)。さらに、ピストンヘッドには小さい穴が開いていることがわかった。(4枚目、写真をクリックして大きくしてみてください。中心付近に穴が開いて光が漏れているのがわかるでしょう。)
 結局、ピストンの不良ということでピストンを交換することにしました。(保障期間なので無償でできたよ)
12月1日 KSR-2 シリンダとピストン(上の続き)
 シリンダーの傷はたいしたこと無いが念のため交換してもらいました。シリンダーが原因かもしれないしね。
12月2日 トルクカムが壊れた。

 最近、トルクカムと言うパーツが人気ですね。スクーターの変速をセッティングできるということはすばらしいことだ、センタースプリングの交換だけではできないことができるようになるのだからすばらしい。
 エンジン本体を改造するわけではないので、トルクが上がるということはないのだが、駆動系の働きを変化させることができてトルクが上がったような効果が出る。ということで、お客様が○社製のトルクカムを取り付けしました。
しかし、トルクカムが1000キロも走らずに壊れました。溶接が甘くて外れてしまったのです。ライブDioZX用。
 レース専用パーツなのでクレームは受けられず、しかし、町乗りで壊れるのならレースならすぐ壊れるだろうにね。まあ、レース用パーツは細かいメンテナンスが点検ということでよい勉強になりました。
12月6日 SRのニュートラルスイッチ
 ニュートラルランプがついたりつかなかったりのSR。メーター内の電球の接触が悪いのかと思いきや、エンジン側のスイッチが壊れていました。
左が壊れたもの、右が新品。先端(上側)の接点が壊れているものは引っ込んだままです。
今回はスイッチが壊れていたのですが、配線の接触不良が原因で起こることが多いです。
12月20日 セローのナックルガード取り付け
純正オプションののナックルガードを取り付けました。
説明書も付いていて取り付け簡単。必要なボルト類も付いていて親切だね。
12月20日 セローのバッテリー配線の取り回しが変更になってました。
以前はプラスのケーブル(配線)がバッテリーの下の溝(下の写真、「+LEAD HERE」となっているでしょう)を通すようになっていましたが、現在は上の写真のように通すようになりました。昔の名残で、文字が残っているのですね。
 バッテリーをつなぐときはプラスが先でマイナスが後です。プラスは赤、マイナスは黒の線となっていることが多いですね。何でマイナスを後につなぐかと言うとマイナス側の配線をバッテリーにつないでいるときに工具と車体が触れたらどうなるでしょう。答えは、「何にも起きない」のです。車体はマイナス側となるのでマイナス通しをつないでも「何も起きない」のです。そもそも、マイナスの線はエンジンやフレームにつなぐだけの車両も多い(セルつきのバイクはほとんどそうなっている)ので、工具がフレームと触ってしまっていても、電線で車体につないでいるかと工具で車体につないでいるかの違いだけなのです。
 逆にプラスを後につないだ場合は、工具がフレームに触れるとショートします。火花が出たりしますので気をつけましょう。
12月21日 DT200WRスポーク張替え
 写真が多いから何段かに分けます。
まずは、ハブにスポークを組む。
片側はすべて入れて、反対側は後から入れられるほう(ホイールに組んでからでも入れられるもの)は入れないで組む。
このほうが、仮組みのときにやりやすい。
まずは、穴の向きに気をつけてひとつ入れ、そこから4つ目が同じ向きになるので同じように入れて仮組み。
次は、さっき組んだものの間のものを同じように組む。
そして、その次のものを組む。
残りの一組を、先に組んだものをうまくかわしながら組む。
仮組み完成
全体が均一になるように増し締め。この時点では、ニップルから、ねじ山が2山ぐらい見えるように残して、締めていく。
 同じサイズのものを締めていくには電動工具やエアーツールが便利です。
ものによってはかなり手前に出てくる。
最後は、振れ取台で周方向のブレと左右のブレを合わせて完成。自転車はリムがやわらかいので難しいけど、バイクはリムがしっかりしているのでわりと簡単です。
12月22日 ホイールとタイヤの間から空気がもれる。
 1週間ぐらいでタイヤの空気が抜けてしまうJOG。
パンク箇所を見つけるのには、車体につけたままで泡立てた石鹸水をつけて点検している。
このバイクはそのような点検では、空気漏れの場所がわからなかった。空気を入れるバルブやタイヤとホイールのつなぎ目(リム)もよく点検したけどわからなかった。
 そんな時には、水につけてみるのが一番。リムとタイヤのすきまから少しずつ空気が漏れていました。4〜5秒ごとに直径2〜3ミリの泡が出てくる程度。こういうパンクはわかりにくいね。
 タイヤが古くなってサイドウオールにもひび割れが出来ていたので、タイヤが古くなったことが原因のようです。
12月28日 カブのヘッドライトが暗い。
 テスターで点検したら配線が切れていることがわかりました。カバーにはさまれて中の配線が切れたようです。
 完全に切れていたわけでは無いので付いたり消えたり、明るかったり暗かったりしたようです。
 このような配線のトラブルは見つけにくいので大変です。特に今回のは配線の外側はほとんど傷が無かったため、見つけるのが大変でした。3本ある配線すべてが切れていたのですが、それがわかるのにも手間を食ってしまいました。

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当店で修理したバイクの、故障の原因、修理方法などを日記形式でまとめています。
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あくまでも修理の参考です。このページを参考にして修理をして、トラブルが起きても、私は一切責任を持ちません。自分でメンテをする人は、すべて自己責任のもとで行ってください。自信の無いことは、素直にその道のプロの指導を仰ぎましょう(もちろん、指導料は取られるでしょうが。)。
自信がある方もたまには、他人の目で自分の整備を見てみましょう。結構ボルトのトルクはいい加減だったりします。また、技術は日々進歩しています。かといって、すべての情報が正しいとは限りません。基本に忠実に、丁寧な仕事を心がけてください。
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